日本の航空機製造業

日本のメーカーは、様々な航空機を開発・製造してきました。

民間旅客機では、1950年代の終わりから日本で開発されたYS-11が1962年に初飛行し、1970年代前半にかけて182機が製造されました。その後は、ボーイング社などとの国際共同開発・製造に参加してきました。日本が担当する割合は767の15%、777の21%、787では35%と次第に増えていき、実力を蓄えていきました。そして、2008年からMRJ(三菱リージョナルジェット)の開発が始まり、53年ぶりの国産旅客機の初飛行が2015年11月に実現しました。 自衛隊が使用する防衛航空機では、米国で開発・設計された機体を日本で製造する“ライセンス生産”と並行して、日本独自開発による練習機、戦闘機、輸送機など様々な航空機が製造されてきました。

航空機製造業は、航空機を組立てる完成機メーカーに、機体構造、エンジン、装備品を供給する専門メーカー、これらを支える航空機部品メーカーから構成されます。

完成機メーカーでの旅客機の組立の様子を、MRJ組立の早送り動画で見てください。

最近の日本の航空機製造業の活動について、日本航空宇宙工業会がまとめた冊子「はばたく日本の航空宇宙工業」に書かれています。

航空機製造業における製造技術者の仕事

機体、エンジン、装備品の各製造業において、製造技術者は次のような業務を行います。


開発・設計
求められる機能や性能を、どんな新技術や新材料を取り入れて実現するかを考えて、製品の形状や働きを決め、さらに細かい部品などを設計していきます。設計の正しさを確認するための試験も行ないます。


生産技術
設計どおりに製品がつくられるように、部品の製造や製品の組立の方法、手順、装置、道具などを計画して、作業手順書を作成し、治具を設計したりします。逆に、製造しやすい設計がされるように設計技術者と調整もします。


現業・技能
実際に部品の製造や、製品の組立を行います。製造装置・機械のオペレーションを行ったり、機体組立など手作業に頼る工程では熟練の技を発揮します。